子どもの中には、意識して丁寧な口調でしゃべらない子どももいます。このような子どもは、周りの迷惑を顧みることができない子どもと思う大人もいますが、実際は、外から影響を受けるという形で口調が悪化しているケースのほうが多いのです。

例えば、テレビなどの影響で口調が悪くなってしまうケースが、今では珍しくないとされています。テレビを見ていると、エンターテインメントなどでボケに対して、ツッコミを入れるシーンを見かけることがあります。

そして、口調が悪いツッコミであっても、周りの人は大声で笑ってしまうほど面白ければ、その流れに押されて笑ってしまうのです。しかし、子どもにとってみると、口調が悪かったとしても面白ければ許されると考えるようになり、テレビの影響で口調の悪化が止まらなくなることもあります。

また、統計上でもテレビからが約86%、母親からが74%、父親からが70%という数値で、口調に関する影響を受けている子どもが、主にメディアを中心として増えているというデータが存在するのです。もし、このような問題を見かけた際ですが、単純にテレビを見せないというのは逆効果です。

むしろ、一緒になってテレビを見て大笑いしたほうが良いでしょう。ただし、子どもの口調が悪化した際は、あまり相手にしないようにすると良いです。

すると、テレビの中では通じていた口調の悪さが、現実では通用しないということに疑問を抱えるようになります。つまり、エンターテインメントはあくまでも番組なので、現実で起きていることとは別なのだと理解させると、子どもも口調の悪さが原因で、関係が悪化することを考え直すようになるのです。

その他のケースでは、流行語の影響で口調が悪くなってしまうというケースがあります。最近のものでは、政治家の発言を録音したもので有名になってしまったものもありますが、このような流行語を知って子どもが真似ている場合は、しっかりと注意したほうが良いです。

流行語の厄介なところは大声で発したとしても、周りも流行にあやかっているだけと判断するところです。しかし、大声で会話をする、もしくは人に対して怒鳴るという行為は、マナーを理解できない心になってしまっているのと変わりません。

さらに、このような口調を放置していると、大声でしゃべる、命令形でしゃべるだけで、人は言うことをきくようになると勘違いする子どももいます。もし、このような子どもを怒る際は、子どもの声より大きな声で怒ると良いでしょう。

迷惑をかけてしまうと、酷い場合には倍返しの目にあってしまうということを教え、体感的に良くないことをしてしまったと理解させると、次からは、流行語であっても声を抑えてしゃべる癖が身に付くようになります。叱られた後は、誰かに迷惑をかける意味合いで流行語をしゃべることが減るので、このようなケースであれば、流行語に対して微笑んであげるようにしたほうが良いです。